【夜勤】刑務官に採用された後の流れと新人刑務官の勤務内容、実際にやっている仕事【現場の実情】

こんにちわ。

刑務官で10年、警察官で10年働いていたライアンです。

刑務官採用試験に苦労した人もいるかもしれませんが、本当に大変なのは、刑務官に採用されて勤務するようになってからです。

新規採用された職員は、書類の移動や掃除など雑用を与えられることも多々あり、座る時間すらないことも少なくありません。

そこで今回は、新人刑務官の仕事内容や実際にやっている仕事について解説します。

いざ刑務官になってみると理想と現実のギャップに打ちのめされ、出勤拒否をする職員も少なくありません。

そんなことにならないよう、少しでも現実を知ることでショックを軽くしてください。

刑務官になってからの大まかな流れ

採用施設からの採用連絡がくる

最終合格に管区面接が終わってから、勤務する３～１か月前には採用施設から勤務をするか意向確認の連絡があります。

その連絡に働くと回答すると文書が送られてくるので、採用施設に制服の採寸や官舎の説明などの事務手続きを行います。

それがすべて終わってから、多くの人は４月から刑務官として刑務所や拘置所などの採用施設で働くようになります。

【出典：法務省矯正職員採用サイト 業務内容】

採用されてから２週間程度は研修期間

どんな会社でも入社してから研修があるように、刑務所でも研修があります。

研修内容は施設や業務内容の説明や講義、実技は敬礼や号令のかけ方、上司への報告要領などになります。

【出典：法務省矯正職員採用サイト 職場を見る】

【出典：ザ産経新聞 刑務所全居室に液晶テレビ～】

【出典：弁護士ドットコムニュース PFI刑務所は受刑者の「楽園」～】

受刑者の生活する部屋は単独室(１人部屋)や共同室(２～５人部屋)があります。

工場での作業が終わると自室に戻り、テレビを見たり食事をしたりしています。

もちろん鍵が掛かっているので、受刑者は自分の部屋の外にはでることができません。

初等科研修

採用された施設である程度の研修が終わると、次は初等科研修に行くようになります。

自分の施設を離れて約３か月間の泊まり込みで研修をするようになり、別の施設で同じ時期に採用された職員と共同生活を行います。

【出典：法務所矯正職員採用サイト 初等科・基礎科～ 】

初等科研修では刑務官に関する法律や実務のことを学びますが、現場ではあまり役に立たないことも多くあります。

少しでも研修を有意義に過ごすには、同じ研修員同士仲良くして思い出を残すことが大切となります。

同じような研修はほとんどないので、後悔しないよう遊びましょう。

新人刑務官の仕事内容や実際にやっている仕事

初等科研修が終わると、いよいよ自分の施設に戻って４交代勤務が始まります。

どんな職員も基本の夜勤を経験してから、数年後日勤になったりします。

どんな職員も最初は夜勤から始まる

刑務官の４交代勤務は、基本的には以下のような流れの繰り返しになります。

11月1日	２日	３日	４日	５日	６日	７日	８日
日勤	夜勤	非番	休み	日勤	夜勤	非番	休み

・日勤→午前7時30分から午後5時00分まで

・夜勤→午前8時30分から翌午前8時30分まで

午前8時30分から午後5時00分までは日勤の仕事

午後5時00分から翌午前8時30分までは夜勤の仕事(仮眠は4時間)

・非番→午前8時30分以降

・週休→1日休み

夜勤といっても、夕方から翌朝ではなく、朝から翌朝までが刑務官の夜勤となります。

夜勤が始まると、思っている以上に覚えることも多く、わからないことだらけになります。

怖い先輩もいるので、優しい先輩に質問したり、一度聞いたことは忘れないようにしましょう。

最初は雑用仕事ばかり

最初は日勤も夜勤も、受刑者に長くかかわらない雑用仕事ばかりやるようになります。

仕事で立ちっぱなしや歩きっぱなしになることが多く、先輩職員から仕事を押し付けられることもあり、休憩できないことも多々あります。

具体的には以下の仕事が多くあります。

１ 日勤の仕事

・門番→外から出入りする人を確認して、門扉を開け閉めする

・連行業務→診察や面会の予定のある受刑者を工場から連れてくる

・運動立会→受刑者を運動場に移動させて、運動をさせる

・入浴立会→受刑者を入浴場に移動させて、入浴をさせる

・監視カメラ勤務→防犯カメラの確認

・雑用仕事→物や文書をいろんな部署に持ち運ぶ

２ 夜勤の仕事

・事務書類の作成、整理

・施設内外の巡回勤務、監視カメラの確認

・勤務している職員との交代

・掃除、ゴミの片付け、風呂の準備、仮眠部屋の布団準備

・受刑者への投薬

18歳の高卒職員でも40歳の社会人経験のある職員でも、最初はやることは同じです。

掃除や巡回をしながら、徐々に刑務所のルールを覚えてから受刑者の指導もしていくようになるので、そのようなものくらいに考えておけば大丈夫です。

受刑者と関わらない仕事をする理由

受刑者では覚せい剤使用や窃盗などが原因で服役している人もいますが、中には詐欺や強盗、恐喝などを本業として生活していた受刑者もいます。

そんな受刑者は、職員の様子を伺いながら嘘をついて、作業をさぼったり休憩をしようとするものもいますが、過去には刑務官の弱みを握って、覚せい剤を購入させた受刑者も実在しています。

社会でもあの手この手を使って、人をだまして生活をしている受刑者にとって刑務官をだますことは難しくないので、経験を積むまでは新人刑務官は受刑者とあまり関わらない仕事を与えられます。

新人刑務官の仕事の覚え方

基本的に刑務所では先輩や上司から丁寧に仕事は教えてもらえません。

ある程度は先輩から教えてもらえるけど、それ以上は教えてくれないので、自分から先輩に仕事やコツを聞き出して行動するしかありません。

そんな理不尽な、と思う人も多いと思いますが、刑務所はそんなところです。

一度聞いたことはメモを取るなりして、工夫して覚えていくしかありません。

まとめ：新人刑務官は最初は雑用ばかり

今回は、新人刑務官になってからの流れと実際にやっている仕事について解説しました。

刑務官に採用された後は、これから刑務官を辞めずに続けることが課題となります。

新人刑務官の中には、仕事を楽に感じるという人もたまにはいるけど、慣れるまでは大体の人が体力的にもメンタル的にもきつい仕事と思います。

それでも同僚や先輩と仲良くなって、楽しんでいる人がいるのも事実です。

色々書きましたが、実際に現場に出てみてわかることも多いので、刑務官生活を楽しみにしていてください。

以上、ライアンからでした。