こんにちわ。
刑務官で10年、警察官で10年働いていたライアンです。
先生はなんで刑務官になることを進めるの?
警察官とか消防士のほうがよさそうだけど。
いいところに気づいたな。
実は刑務官も他の公務員に負けてないほどメリットがあるんやで。
今回は、刑務官になることのメリット・デメリットを解説したいと思います。
結論を言うと、意外と知られてはいませんが、刑務官にも他の公務員に負けていないほどの大きなメリットがあります。
ワイももう一回公務員になるなら、刑務官でもいいと思えるで。
そう思えるのは、刑務官になった経験があるからやけどな。
この記事でわかること
・刑務官として働くメリット・デメリット
・警察官や消防、自衛隊と比べてどっちがいいのか
刑務官として働くことのメリットを理解することで、他の公安系公務員よりも良いのか、または会社員よりも良いのか検討することができます。
また公務員試験を併願受験をして、どちらも合格した場合の判断材料にもできます。
損にはなりませんので、ぜひ知っておいてください。
刑務官として働くメリット
給料がそれなりに高い
刑務官の給料は大体、以下のとおりです。
18歳(高卒、独身)
基本給 | 178000円 |
扶養手当 | 0円 |
地域手当 | 15000円 |
特殊勤務手当 | 5000円 |
超過勤務手当 | 65000円 |
手取り(税金等を引いた額) | 210000円 |
29歳(高卒、結婚、扶養の妻)
基本給 | 245000円 |
扶養手当 | 5000円 |
地域手当 | 15000円 |
特殊勤務手当 | 5000円 |
超過勤務手当 | 78000円 |
手取り(税金等を引いた額) | 270000円 |
採用されてからは夜勤なので、大体60000円~つきます。
基本給は少なめですが、毎年何もしなくても5千円前後昇給していきますし、毎年ボーナスも夏冬に手取りで40万円程度もらえます。
意外と給料ってそこまで多くないんだね。
まあな。
夜勤も4日に1回のペースやから、給料は警察官のほうが多くなるな。
でも警察官は拘束時間も長いし、仕事の内容によって帰れないこともある。
刑務官は帰れないことはほぼないから、そこはええで。
官舎が無料
官舎は大体こんな感じやな。
無料やからわがまま言われへんし、住めば都や(笑)
官舎の特徴
・刑務所の敷地内にあるので、必ず無料。
・間取りは家族でも独身でも3部屋くらいのところが多い。(6畳×2、4.5畳×1)
・新人の場合は独身2人で済むことが多い。
官舎では先輩も住んでいるので嫌という人もいますが、通勤時間も5分程度ですし、人間関係が良好な人やお金を貯めたい人は定年まで住む人もたくさんいます。
給料がそこまで高くない分、家賃が無料になるメリットはとても大きいです。
警察官の官舎も1万円から5万円程度とそれなりに安いですが、無料にはなりませんし、警察署の敷地にもないので通勤時間はかかります。
転勤がほぼない
幹部になると2.3年で転勤する人が多いですが、一般職員のままだとほぼ転勤はありません。
安定して同じところで働きたい人や地元が大好きな人には大きなメリットです。
ただ最近は、一度は転勤させようとする流れがあるので一般職員でも一度は転勤する可能性があります。
それ以外では、一般職員でも大きな失敗や上司に反抗をすればどこか遠い施設に飛ばされる人もいます。
転勤が嫌やから、幹部にならない人がほとんどやで。
まぁ転勤でも、引っ越し代は全額出してくれるから大丈夫や(笑)
警察官の転勤は、早いと2年から長くても7年位のペースで県内を転勤するので、引っ越しをしたり、通勤時間が長くなったりするというデメリットがあります。
仕事内容はルーティンワーク
刑務所では一日の流れが決まっているので、大きな変更や対応はありません。
そのため、数年で部署内のほとんどの仕事を覚えられるので、ルーティンワークになりがちです。
最初は覚えることが多いですが、一度覚えてしまえばそこまで難しい仕事ではありません。
仕事は見てるだけやし、難しいことは何一つない。
職員の中にはガチ変人もおるから、そこが一番難しいな!
一方で警察官の場合もルーティンワークもありますが、検挙件数というノルマもあるので毎日交通切符を切ったり職務質問をしたして、苦手な人は大変に感じる人も多いと思います。
最初は夜勤なので休みは多い
採用後は処遇部門というところに行きますが、必ず夜勤をさせられます。
勤務は4日間を一つの区切りとして
・日勤→夜勤→非番→週休
の繰り返しになりますが、非番は午前9時には解放されるので、実質、非番と週休で2連休になるので休みは多いです。
若い刑務官は休みの日は筋トレとか飲み会とかで遊んでるやつが多いな。
休みはみんな人生を満喫してるで。
警察官の場合は、書類整理や事件があれば残らないといけない場合もあるので、意外と休みの時間も少なくなりがちになります。
また警察官で生活安全課や刑事課などの日勤の刑事になると、残業が増えて給料があがりますが、全然自宅に帰れなくなる場合もあるので、私生活を充実させたい人にはあまり向いていません。
努力次第で出世できる
3年目から昇任試験を受けることができ、合格すればすぐに日勤になることもできます。
さらに昇任試験に合格すると、本省といわれる霞が関での勤務も可能です。
刑務官という一般職員から始まりますが、自分次第で本省のキャリア官僚と一緒に働くこともできるのでそこを魅力に感じる人もいます。
また刑務官の昇任試験は受験する人がいないので、少し勉強すれば簡単に受かりますが、警察官の昇任試験は全員受験することから難易度がとても高く、勉強をしていることに加えて様々な経験も必要になります。
准看護師資格の取得や海外勤務も可能
希望すれば准看護師の資格を取るために3年間の研修を受けることもできますし、在外公館勤務といって海外での勤務も可能です。
もちろん給料も貰えるので、仕事の中で大きくスキルアップすることが可能です。
警察官では准看護師の取得はないうえに、語学研修はありますが、これは思っている以上にハードルが高いうえに、研修期間中はずっと勉強していたりと大変な努力が必要です。
資格取得や海外勤務に行きたい人は警察官よりも刑務官から志望するほうが簡単に参加することができます。
これまで接点がなかった人とも会話ができる
普通に生活していると接点がないような、暴力団組員や覚せい剤使用者、振り込め詐欺の幹部などいろんな人がいます。
そんな人と話すことができるのも、魅力の一つです。
変な人の中には刑務官をだまそうとしてくる人もいますので、そんな受刑者に騙されない強さや精神力を身に着けることができるのも刑務官の魅力になります。
変な人もおるけど、面白い人もいるんやで。
全身入れ墨の人とかも多いな。
刑務官として働くデメリット
夜勤の間は、仕事がくそつまらない
刑務官に採用されると大体10年前後、夜勤をやってから日勤といわれる工場担当や総務系の事務所に配置されます。
その間、夜間は大体同じところに配置されますが、昼間は毎回日替わりで違う仕事をやらされるようになります。
夜勤刑務官の仕事一覧は以下になります。
1、工場の交代勤務
工場で担当業務をしている職員の交代勤務になります。
大体2~4つの工場担当の交代で勤務していて、勤務の中で一番の激務のため、夜勤者でもある程度経験のある優秀な職員がついています。
激務の理由は、以下になります。
・交代する工場によっては、勤務時間の1時間前から自主出勤しないといけない。
・工場によって書類の処理方法、号令のかけ方が全く違うので覚えるのに時間がかかる。
・工場担当の機嫌取りで自分の休憩を減らすため休憩時間がほとんどなく、体力的にきつい。
・工場担当によっては優しい人もいれば、仕事を教えてくれなかったりと超絶パワハラ気質な人もいてメンタル的にきつい。
・受刑者や職員の前で怒鳴られるのも当たり前で、みんな見て見ぬふり。
ワシも行ってたけど、工場交代はいろんな意味でホンマにきつい。
担当に気に入られなかったら地獄や。
2、雑務(雑用係)
出勤時間も早く、やる仕事は受刑者の移動や印鑑押し、工場へ書類を送り届けたりなどの雑用になります。
休憩時間もなく、毎日走り回っていて誰からも褒められることはありません。
3、各課への連行係
受刑者を工場から面会や診察のために移動させるだけの係です。
ただ歩いているだけの簡単な勤務なので、新人刑務官がよく勤務につきます。
それ以外は、職員間や受刑者間でミスや問題行動を起こす職員もよくついています。
4、運動・入浴係
受刑者の運動と入浴をする係です。
工場で作業をしている受刑者は工場担当がまとめてやっていますが、それ以外の行動に問題があって隔離されている受刑者、懲罰中の受刑者などの運動と入浴をやります。
受刑者が運動していたり、入浴しているのを見ているだけの仕事です。
5、夜間帯の仕事
午後5時から翌午前8時30分までの仕事です。
基本的には受刑者への投薬と巡回、テレビやライトの電源のオンオフがメインの業務です。
決められた時間で必ず巡回をしないといけないので、最初のほうは足が棒になります。
思っているより単純な仕事が多いんだね。
そう、夜勤者の仕事はこんな感じの雑用や。
しかも夜勤から日勤になるまでが長い。
ワイは10年も我慢して日勤になるまで、こんな仕事続けられへんわ。
人間関係が劣悪な場合が多い
夜勤をやっている間はほぼ雑用や日替わりの仕事になるので、日勤の職員から舐められがちになります。
かといって日勤になっても、仕事をやらずにパワハラばかり繰り返している職員もいたり、見て見ぬふりをする幹部もたくさんいます。
人間関係が悪いのは職員間だけじゃないで。
受刑者も職員を陥れようとしてくるから、そっちにも気をつけんとあかん。
1、職員間の辛いところ
・受刑者がいても、関係なく怒鳴り散らされる。周りは見て見ぬふり。
・失敗をしたら、周囲に言いふらされて無能扱いをされる。
・仕事を教えてくれない。中途半端に教えて、本当に大切なことは教えてくれない。
・正論を言ったとしても、先輩や上司から気に入られなければ怒られる。
・能力が高くても先輩や上司から気に入られなければ、いじめられる。
・武道訓練で有段者にしごかれる。
忙しくないのに、人間関係が悪いの?
暇だからこそ、いじめがあるんや。
受刑者よりも職員関係に気を使ったほうが、生きやすいで。
2、受刑者間の辛いところ
職員の様子を観察していて、他の受刑者と一緒に職員を脅してくることもあります。
受刑者は休憩を長くとったり、周囲の受刑者に見栄をはりたいので、様々な手段で職員を試してきますので、対応が難しく精神的にストレスになる人も多いです。
・自分の権利しか考えてない受刑者も多く、会うたびに脅してくる。
・工場担当には従順だが、その他の職員には生意気な態度をとる。工場担当に守られていて、こちらから手が出せない。
・職員は作業がわからないので、嘘をつかれて失敗をさせられる。
・受刑者が職員に怒鳴ってくることも多い。
このご時世やから、職員より受刑者のほうが大切にされている。
やから職員も受刑者も、信用しすぎるのは危ないで。
警察官や消防、自衛隊と比べてどっちがいいのか
結論:自分が何を優先するかによる
結論を言うと、自分が何を優先するかによります。
警察官や消防、自衛隊にもたくさんのメリット・デメリットがあり
・仕事以外の自由な時間が多いほうがいいのか
・仕事で体力を使うほうがいいのか、それとも頭脳を使うほうがいいのか
・転勤が多いほうがいいのか、少ないほうがいいのか
・給料が高いほうがいいのか
など自分が何をしたいかによって答えが変わってきます。
その点で比べると刑務官の場合は、転勤がほぼないことや官舎が無料、夜勤で休みが多いことが大きなメリットになるので、そこをどう考えるかによります。
ワシは警察官も刑務官も10年以上やったんや。
総合的に考えたら、ワイは刑務官も悪くないと思うで。
同時合格の場合は慎重に判断すること
公務員試験を受験する人はほとんどの人が併願受験をしていると思います。
中には同時に警察官と刑務官が合格する場合もありますので、決断は慎重にしたほうがいいです。
その理由はもちろん働いたことがないので、働いてみると
・思っていた仕事と違っていた。
・想像以上に大変な仕事だった。
・やりがいを感じなかった。
ということが多々あると思います。
採用後に転職することも可能ですが、転職するには思った以上にパワーがいるので諦めて仕事を続けて、メンタルを病んでしまったり、後悔している人、最悪は自殺する人もいます。
まとめ:後悔したくない場合は、詳しい人に相談する
学校の先生や予備校の先生、会社の上司は人生については詳しくても、刑務官のことについては詳しくありません。
そんな時には経験者に相談したほうが実情を知ることができ、最適な回答をもらえる可能性が高くなります。
そうすることで人生で後悔することもなくなるので、相談相手がいない場合やより正しい選択をしたいと考える人はこのブログのお問い合わせ・ご相談から気軽にご連絡ください。
なるほどね。
でもなんか怪しいね(笑)
まあ、気持ちはわかるわ(笑)
でも行動せんかったら何も変わらへんで。
ぜったいに損はさせへんから、時には行動することも大切やで。
今回は刑務官のメリット・デメリットやどの公務員がいいのか解説しました。
僕は専門学校から警察官になったことから始まりましたが、費用が1年間で100万円以上かかりました。
その費用を考えると、もっといい方法があれなと思ったからこそ、このブログを始めていますので、少しでも参考になれば嬉しいです。
今後もこのブログで役立つことを発信しますので、これから採用試験を受験する人も合格した人も、ぜひ役立ててください。
以上、ライアンからでした。
できる限り早く合格したいあなたへ
個別のアドバイスや相談も受け付けています。
・採用試験にできる限り早く合格したい
・みんなが知らない警察官や刑務官の仕事の実情を知りたい
・警察官や刑務官、自衛官を退職してしまったが、また公務員に復帰したい
など、気になる人はお問い合わせフォームからぜひご連絡ください。
相談できる相手が少ない人はこの機会にぜひご活用ください。